本屋さんに行くと読みたい本がたくさん見つかります。まだ読み終えてない本が多くあるにもかかわらず、つい購入してしまい部屋には本の山。「早く読み進めて次の本が読みたい」とばかり考えると、脳の機能をフル回転させる多読や速読に目が向いてしまいます。最近、読んだだけで満足していては本来の目的とは違うことに気がつきました。いくら知識をたくさん入れても「今後、役に立つ知識として理解したのか」という点で疑問が残ります。
日常生活の中では、潜在的な記憶や知識が活きる瞬間ってありますよね。心に残る言葉や人生観に影響した話は、潜在的な記憶に感覚として残る。本を読んで知識として深く落としこむ方法のひとつに「スロー・リーディング」という読み方があります。
スロー・リーディングとは
本を読み終えた後、その本から得た知識を説明できなければ使える知識とはいえません。スロー・リーディングには「新しい知識を使う」ためにじっくり読書をする目的があります。
スロー・リーディングの方法・効果
ここでは方法やコツをご紹介します。
抜き書きをする
本を読んでいる最中に「いいな」と思った文章をそのまま紙に写す作業です。書き写している最中は脳が考えているため、その事柄が記憶に残り、新しいアイデアがひらめくチャンスになります。記憶に残りやすく、書き手の感情もわかるので文章がうまくなるメリットもあります。
自分の感じたことや考えを書く
抜き書きをしていると、脳が積極的に物事を考えます。文章を読んで自分が感じたこと、考えたことをアウトプットしましょう。
気になるフレーズに線を引いたり、心に残ったページの端を折ったりして目印をつけます。自分が感じたことを自由に書きだしましょう。潜在意識の中にあった隠れたものを引き出すイメージです。
本を読み終えず、中断する
速読や多読のように速さや量を意識するのではなく、中断をして考える量や感じる深さを大切にします。文章の背景にある情景を思い描いたり未来を想像したり…人に伝えるのもいいですね。その過程が自分の人格形成に生きてきます。
本と自分の接点について、立ち止まり俯瞰的に考えを巡らせる時間を楽しんでみましょう。
スロー・リーディングをしてみた感想
読書の楽しみ方について改めて考えました。旅の目的は目的地に到着するだけでなく、その途中での出会いや新しい発見などを楽しむ醍醐味があります。
1つのことから多くを学び取る力。スロー・リーディングは学びを深め落とし込む方法の1つです。この読み方を習得すると、たくさんの知識が身につきます。日々の読書生活にひと工夫するだけで、学びが増えて生活が豊かになりそうです。